03(18禁)

 これが、獣人の間でも畏怖される、兎の獣人の真実か。
 好きなようにして欲しいと願ったのは自分自身だが――こんな風になるなんて、想定外だ。




「ん、や……ッ! シリル、ちょ、ちょっと……」

 薄く明かりを落とした寝室に、戸惑いに満ちた情けない声が響いていた。
 けれど、を困惑させている張本人とも言うべき白兎の獣人は、ベッドに放り投げたに覆い被さり、楽しそうな笑みばかりを繰り返している。

「ふふ、さっきの僕よりも、身体が跳ねてる」

 ほぼ羽織っていただけのシャツを剥ぎ取られ、瞬く間に裸となったへ、白い手が伸ばされる。柔らかい、ふわふわの毛皮に包まれたその手は、の丸い肩を撫で、鎖骨から胸元へと滑り、腰の括れから太股まで下りていく。触れていない場所がある事を許さない、とでも言わんばかりだ。全身を隈無く弄る手に、狼狽える声ばかりの唇をこぼれ落ちていく。
 それに、彼が持つ真っ白なふかふかの毛皮は、柔らかく触り心地も恐ろしく良い。比較対象にもならないが、が持つ金色の髪よりもずっと素晴らしい感触で、それがついでに肌の上を滑るものだから、尚更くすぐったく思ってしまう。

「可愛い。小さい兎より、可愛い」

 身体を震わせ、身動ぎするへと、シリルは微笑みながらそんな事を呟く。
 いや可愛いのはシリルだろう、といつもならば言えた言葉を、今は出せなかった。
 覆い被さった白兎は、の身体のいたるところを甘く撫でている。既に彼も知っているものだろうに、眼差しも指先も恍惚とし、異様な熱が感じられ、不安めいた感情すら掻き立てられた。

「シリル……ッふあッ」

 白兎の頭が、の顔の横へとやって来た。ふこふこと動く鼻先が、唐突に耳の後ろへ押し込まれ、そのまま首筋を噛まれる。噛むといっても、ただ前歯を当てただけだが、硬い歯の感触がしっかりと伝わってきて、身体が跳ねてしまった。
 それをシリルはほのかに笑い、見せつけるように歯を鎖骨から胸元へ擦り付け、へその辺りにまで下った。

 何故だろう。何処か一番美味しいのか、丹念に選ばれているような気分になってきた。目の前にいるのは、草食の、それも兎なのに。

「……いつもより、びくびくしてる。寒かったりする?」
「ち、違う。けど、くすぐったい、くすぐったいの……ッひう!」

 脇腹を、兎の口が、悪戯に食んだ。柔らかく歯が埋まる感触に、腹部を跳ねさせてしまう。
 それを、シリルは楽しそうに見下ろし、くつくつと肩を揺らしている。普段、彼の事を女の子のようだなんて思ってはいないのだけれど、妙に男臭い仕草で、また少し戸惑う。

 だって、ちょっと、今のシリルは。

「柔らかいなあ、の身体は。柔らかくて、あったかい」

 普段と、様子が違いすぎやしないだろうか。

 触り心地抜群の、ふわふわの白い毛皮にのし掛かられながら、の頭の中にはそんな言葉ばかりが巡っていた。

「シリル、あの、どうしたの……ッ?」
「どうしたって?」
「だって、なんか……ッあ……」

 シリルの顔が、の目の前にやって来た。額が重なり、鼻先がぶつかり、唇を蝕むように食まれる。人間とはどうしようとも異なる、けれど慣れ親しんだ獣の口付けだ。器用に滑り込む細長く厚みのない兎の舌へ、も自らの舌を伸ばし、息づかいを響かせながら絡め合う。
 もはや戸惑う事もなくなった口付けだが、伝わってくる温度と、荒々しい舌先に、驚きを隠せなかった。
 それが、伝わったのだろう。シリルは口を離すと、小さく笑い。

「本当は、いっぱい、触りたかったんだよ」

 今までも――初夜の時も。
 呟くと、白い手をの乳房へ重ねる。丸い輪郭を歪めるように、指先が柔らかい肌に埋まった。

「い、いっぱいって……今までだって……ッん」
「今までも、十分、触ったけど。もっと、たくさん」

 たくさん、なんて、抽象的過ぎる。
 それなのに、その言葉に含まれた危うげな気配を、は確かに嗅ぎ取った。

「でも……そんな風にしたら、絶対、ぶっ壊れるから」
「ぶ、ぶっ壊れるって……」

 ……私が? それとも、シリルが?

 を見下ろすつぶらな瞳が、細くなる。それは悪党さながらの仕草で、この愛らしい白兎がそのような存在に見える事は、恐らく今夜が初めてだ。

「……だから、これは、本当の始まり。僕がやりたかった、獣人の蜜月と、初夜の続きだ」

 ぞくぞくと震えたのは、きっと、恐怖ではない。
 初めて目の当たりにする、幼なじみであり夫でもある男の姿への、欲情だ。

 シリルは頭を下げると、手のひらで掴んだ乳房へ、発達した特有の前歯を宛がう。人間のものとは違う、獣の歯が、頂の小さな粒をカリッと甘く噛んだ。

「ひ、う……ッシリル」

 カリ、カリ、と何度も歯が擦れる。頂とその周囲をなぞる硬い感触に、ピリピリするような、むず痒い感覚が駆け巡る。痛みとは違う、もっと厄介な甘やかさは、腹部の奧にまで響いてくる。

「可愛い。もう立ってる。それとも、さっきの余韻かな?」

 悪戯っぽく呟かれた言葉に、の頬はたちまち熱を帯びる。視界の片隅でちらつく兎の耳をぺちんっと指先で弾いてやったが、シリルの密やかな笑い声は止まらない上に、さらにねっとりと嬲ってきた。

「ちょ、ちょッ」
「ああ、別に、傷つけないから、安心して」
「あ、うん……い、いや、そうじゃなくてッ」

 の訴える声は聞こえないとばかりに、シリルはすっとぼけている。
 白々しい。あんたの耳の良さは、昔から知ってるんだから。

 コリコリと歯で嬲られ続け、身体の疼きばかりが悪戯に煽られる。気持ちが良い、けれど焦燥感に苛まれるような、途方もない甘さ。自身でもどうしようもなく、両足を擦り合わせる。
 もじ、と身動ぎをしたその時、シリルが胸元から顔を離し、身体を起こした。被さっていた柔らかな毛皮が遠ざかり、どうしたのかと視線をやると同時だった。白い手が、の両膝を掴む。可愛らしい外見を裏切る強さで、力任せに閉じた太股を割り開く。

「きゃあ……!」
「あは……ッもう、たくさん、濡れてる」

 ぎくりと、身体が跳ねる。恍惚と微笑む声音も、露わにされてしまった秘所へ注ぐ視線も、ぞっとするほどに熱く蕩けていた。

 こんな声を、こんな目つきを、した事は今まであっただろうか――。

「僕のを舐めていたのも、あるのかな」
「ひッば、ば、ばかあ……ッ!」

 何て事を言うのだと、は両腕を伸ばし、白兎の頭をぺちぺちと叩く。効いている気配は全く無いし、それどころかその指先をぱくりと咥えられてしまった。親猫が子猫を慰めるような仕草で、薄い舌が指先を舐め上げる。

「そんな真っ赤な可愛い顔で睨んでも駄目。全然怖くないし、余計に調子に乗りたくなる」
「……可愛くない、よ」

 昔から、気だけ強く、女にあるべき色香も足りなかった。それを自覚していたからこそ、シリルを萎えさせているのではないかと思ったのだ。

「僕は一度も、そんな事、言ってないよ」
「そう、だけど……」
「満足していたよ、十分。それは本当」

 好いた女を抱き、そんな愚かな不満を持つ獣人の男はいない。シリルは真っ直ぐと告げた。

「――ただ、際限なく、もっと、もっとって、なる」

 膝を掴んでいた手が、太股を滑り、空気に晒されていた秘所へと向かった。毛皮に包まれた指が、泥濘んだ蜜口をなぞり、ひくりと戦慄く入り口からその奥へと沈み込んだ。獣らしく、また男性らしく筋張った長い指が、内側をぐるりと撫で付けていく。それだけで、身体がぶわっと熱を帯びていった。

「ふ、う……ッシリル……あ……ッ!」
「良い匂いだし、可愛いし、たまらない。ずっと、いつも」

 ぐちゅ、ぐちゅ、と音を鳴らし出入りする指が、引き抜かれる。物足りなさに震えたが、次の瞬間にはシリルに両足を荒っぽく抱えられ――性急に、硬く漲った剛直を突き入れられた。腹部の奧で押し広げられる、熱い充足感。待ち侘びていたものが訪れた歓喜に、は甲高く掠れた声をこぼし、全身をしならせ震えた。
 シリルも熱く溜め息をこぼし、上半身をの上へ倒す。弓なりになる身体を撫で、腕をシーツの上に置くと。

「……う、ん?」

 腰を押し込み、距離をぐいっと詰める。必然、の臀部は持ち上がり、シリルの足の上に乗る格好になる。
 そうして目の前には、シリルのふかふかな胸と――互いの肉体が繋がった部分が、飛び込んでいた。
 は内心で「ドヒャアアア!!」と雄叫びを上げた。

「シリル、ちょっと、これ……ッうあん!」

 言葉の途中で、シリルの腰が動き出す。けれど、今までのような、ゆっくりとした優しさはない。最初からしたたかに打ち付けられ、こじ開けるように突き進んでいく。しかもその激しく出入りする様子が、の視界にまざまざと映し出されているのだから、たまったものではない。

「や、やだ、んッ! はずかしい……ッ!」
「いつも、している事でしょ……ッ大体、さっきまで触って、舐めてたじゃないか」

 いや、それは確かに、その通りなのだけれど。
 言葉に窮していると、シリルはさらに熱を入れ、腰を揺すった。文句の言葉は、恥ずかしい嬌声に変わってしまう。

「やッん!」
「いい光景、だなあ。グチュグチュ、音が鳴ってさ」
「んにゃああああーーーー!!」

 ついに、叫び声が飛び出た。目の前にあるふかふかの胸へ手を重ね、毛皮を引っ張りながら羞恥心を訴えたが、シリルは恍惚と笑うばかりだ。挙げ句の果てに「舌っ足らず。可愛い。子猫みたい」などと呟いている。

 話を聞いていないのか、この馬鹿! そう思いながら、涙の滲む目尻をキッと鋭くし、シリルを睨め付け――愕然とした。

「……勝ち気な目が、とろとろに溶けるの、僕だけが知ってる。僕だけのものだ、ずっと」

 譫言のように呟く、陶然とする声も。心奪われたように見下ろす、獣欲を露わにした瞳も。平素の穏やかさなど欠片も感じさせないほどに、熱でどろどろに蕩け、狂暴さが匂い立っている。兎の頭でありながら、牙を持つ肉食獣のような、危うさだ。
 その崩れかかった情愛が、一心に、へと注がれている。怯えとも疼きともつかない震えに蝕まれ、伴侶の未知の姿に戸惑う他なかった。

 ――本当に、どうしたのだろう。
 頭の中の何処かが、壊れてやしないだろうか。

 呆然と見とれている間に、シリルの腰の動きが速まる。ごつごつと響く打ち付けに、は激しく揺さぶられる。

「あ、あ、もう、出そう……ッ」
「え、え……ッふあ!」

 白兎の柔らかい胸へ、身動きが取れないほど強く抱きすくめられた、その直後。
 したたかに打ち付けていた腰が、最奥を抉るように押し付け、動きを止める。溜め息のような掠れた声を漏らし、の胎内で熱く迸った。

 白兎の腕の中、はひくんっと身体を跳ねさせながら、彼の熱を注ぎ込まれる。
 これまでの穏やかな交わりとはまるで異なる、力と感情に任せた交わりだった。獣の血を色濃く持つ種族の本能を、垣間見た心地がした。これが、シリルが本当にしたかったつがいの営みなのか。
 乱れきった呼吸を必死に整えようとしながら、しがみついてくるシリルの背中に腕を回す。見た目のしなやかさに反し、男性的な逞しさを確かに持つその背を、ゆっくりと上下に撫でる。今度こそ満足してもらえただろうかという、淡い期待と充足感がの胸に温かく宿っていた。


 ――そう思った、束の間。


 の身体は、ぐるりと回っていた。
 シリルの獣棒が深く埋められたまま、身体の向きを変えられ、気付けば上半身を倒し臀部を高く持ち上げた四つん這いの格好になっていた。

「……え?」

 ぽかん、と惚けるばかりのの腰に、二つの手が重ねられる。力が抜けてしまった身体を軽々と支え、括れをがっしりと掴み――背面から、強く、突き込んだ。

 の脳裏に、白い火花が散る。熱を灯したままの身体が、足の先まで戦慄いた。

「ふ、や……ッ?!」

 ろくに呼吸も整わない内から、再び始まった激しい律動。後ろから何度も与えられる、最奥を貫かんばかりの衝撃に、は恥ずかしさも忘れ声を跳ねさせた。

「あ、ま、まって……ッ」
「――駄目」

 ぎゅ、とシーツを掴み寄せたの手を、シリルの手が上から握りしめた。ふかふかな触り心地だけれど、の手を包んでしまうくらい大きな獣の手には、雌を縛める力が含まれていた。

「まだ、足らない……逃げないで」

 激しい息づかいと共にそう言いながら、強引にを上から押さえ付け、横向きに寝かせる。閉じた太股の内側に、シリルの手がねじ込まれたかと思うと、あろう事かそのまま片側の足が持ち上げられ、両足を大きく開いた格好にさせられた。

 何この格好! 恥ずかしいどころじゃない!

「や、やだ、シリル……! ひ、んう!」

 の太股を胸に抱き、シリルは腰を回し、狭い内側を掻き乱す。混ざり合った体液が、ぐちぐちと粘着いた音を立てながら溢れ出て、内外でいやらしく響いた。
 まなじりに浮かぶ雫がじわっと増した時、の頭上から、シリルの微笑む音がこぼれ落ちてきた。

「僕しか見ていないから、だいじょうぶ。かわいい」
「そ、そういう、問題、じゃ……ッ」

 強がりながら見上げたその先で、シリルはうっそりと笑っていた。可愛らしく、清純な白兎の頭でありながら、獰猛な獣の気配を滴らせ、恐ろしいほどの甘やかさを両目に映している。

 ――完全に、理性が、吹き飛んでいる。

 平素の彼とは思えない豹変ぶりだ。一体、何処の誰が、草食獣の獣人だというのだろう。肉食獣の獣人が並んでも、違いなどもはや無い。
 それとも、これが“兎獣人”の真性というものなのか。

が、良いって、言ったんじゃないかッ」

 息を乱し、シリルが呟く。

「今更、やめてなんて、言わないでよ。もう、止められない、んだから」

 快楽に酔う声が、懇願しているように聞こえた。人間の、それも力で遙かに劣る女へ、必死に縋り腰を振り立てるシリルへ、は震える指先を伸ばす。ほとんど乱れた吐息の音にしかならなかったが、シリル、と確かに名を呼べば、彼は両目を潤ませ顔を擦り寄せる。
 そのまま、兎の顔はの正面へと近づき、ひくひくと動く鼻先を首の後ろへ押し込む。

 ――がぶり、と歯が立てられた。

 今までの、あやすような甘噛みではない。歯を立て噛み付いた痛みが、の細い首に迸った。

「ああ……ッ! い、いた……ッ!」

 食い千切るほどの力ではない。だが、きっと痕は刻みつけられたのだろうと、確信が出来た。
 意外にも、腹が立つ事はない。どんな痕だろうかと、場違いな想像を過ぎらせるくらいだった。

 その噛み付いた行為もシリルを昂ぶらせるのか、彼は再びの最奥に目掛けて、白い欲望を放った。

「はッはッ……! うあ……出る……ッ……!」

 縋り付くように密着した毛むくじゃらの身体が、びくんびくん、と断続的に跳ねる。彼の痴態を目の当たりにしながら、も密やかに押し寄せてくる快楽に身を震わせた。

「シリ、ル……ッ」

 今度こそ、終わりか――そう思ったのだが。
 再びシリルは腰を浮かせ、ぐずぐずに蕩けたの中をぐちゃりと抉った。

「ふきゅ?!」

 驚いたのと、達した余韻が引かぬ内に再び与えられる衝動に、変な音が鳴った。
 たまらず身体が捩れ、喉と背中が反れたけれど、シリルは先ほどと変わらず……いいや下手したら先ほど以上に猛り、を攻め立てている。

「や、あ、あ……ッもう、いっぱい、いっぱい、だからぁ……ッ」

 子どもみたいに、舌がもつれる。骨の芯も、頭の中も、びりびりと甘く痺れ、だらしない姿を晒しているに違いない。意味の成さない制止の言葉ばかりが並ぶ中、何処からか歓喜に溢れたシリルの笑い声が聞こえてくる。

「かわいい、かわいい、。もっと、見せて、いっぱい」

 今まで十分に気遣ってもらったから、今度はこちらが頑張る番だ――そう決意した、数日前と数十分前。
 ここまで変貌するとは、ちょっと……いやだいぶ、予想外だ。
 想定していた事よりも、とんでもない事態に見舞われてしまっている。もう、そんな事も、冷静に考えられないのだけれど。


 ――絶対、ぶっ壊れるから


 あの言葉の通りに、本当に、壊れるのではないだろうか。
 後ろでがむしゃらに腰を振り立て、夢中になって求めている白兎のように。

 一度繋がりを解き、身体を休めるという考えは、何処にも無い。目の前の快楽と、交尾に無心になるこの光景は、きっと獣のそれと同じだろう。は人間だが、同じ獣になった心地さえしてきている。

「顔も、中も、とろとろになって。困って泣いた目も、かわいい」

 でも、駄目だよ――悪魔じみた囁きは、耳元で甘く響く。

の腹の中、ぐちゃぐちゃになって、僕の精液で溢れ返るまで、たくさん交尾しよう」

 夜は、まだ長いもの――狂おしい歓喜を浮かべ、白兎は嫣然と続きを強請った。


 これが、兎獣人。一部の界隈で名を馳せる種族の、本性か。
 忠告通りの……いいや、それ以上のあまりにも危険な一面が、まさか本当にシリルにも備わっていたとは。
 自身の無知を改めて思い知ったけれど――何故か、嫌ではなかった。
 壊れてしまう、なんていう恐ろしい予感を抱かせる獣の交尾の如き交わりも、呼吸すら危うくなる生々しい獣欲も、厭悪は不思議と抱かなかった。

(私も、何処か、ぶっ飛んでいるのかな)

 痕が残るほどに噛まれた首筋から走る、疼くような痛みに、確かに喜びを見出しているのだ。
 兎の獣人の妻として、きっと、後戻り出来ないところまで染まっている。

 とうの昔に、もう。



2020.03.08