銃声とリナリア

とある海の国の、彼と私。

とある海原の、ド真ん中に存在する浮島諸島《カリフォス》。
際立った観光地でもなく、便利なものが溢れているわけではなく、田舎の海の国。
が、そこは大陸本土とは明らかに異なる点がある。それは、獣人と人との間に壁がまるっと無い事である。

そんな緩い海の国にて、今日も今日で、平和な一日を過ごすはずの人間の主人公。
突然、異性より想いを告げられていなければ。そして相手が、人間ではなく獣人の種族でなければ。
けれどその日を境に、主人公の日常は、少しだけ賑やかになった。

そんな感じの、ゆるっとふわっと幸せなシリーズ。基本短編形式。
気が付いたら相手キャラが増えているかもしれない、そんなアバウトなオリジナルシリーズ。

(例によって相手は獣人・18禁表現もそのうち出るかも・シリアス要素皆無・ゆるっと恋愛)

Series Story

◆プロローグ

突然舞い込む、非日常

◆戦闘部隊の第三部隊長:犬獣人シュバリオ=ダレフとの場合

◆漁師:シャチ亜人ジゼルとの場合

◆セットお題

Character

◆カーレン(主人公:デフォルト名)
海の国《カリフォス》に属する、最南端の小さな《エルド諸島》出身の人間。いわゆる田舎育ち。
たまたま受けた、カリフォスの王宮の初級事務官……つまりは普通の一般事務員の試験を受けたら合格して、ほそぼそと一人暮らしながら仕事に勤しむ、そんな感じのこざっぱりした二十代半ば。
獣人と人間とごっちゃの環境で育ったので、種族の違いは差別的に思っていないつもりであったが、ある日突然舞い込む異種族の異性からの告白に、かなり困惑中。
何故自分なのか。毎日、甚だ疑問である。
◆ラナ
やや焼けた肌をし、亜麻色の豊かな髪を持った人間の女性。
カーレンと同じ初級事務官であり、同僚であり、気心知れた友人。
スタイル抜群で美人と評判だが、いかんせん大雑把でさっぱりしている上にすぐ口に出る。
何だかんだで、カーレンの味方。
◆シュバリオ=ダレフ
やや青みがかった灰色の毛並を持つ、ダークグレーの瞳の犬獣人。
三十歳前後の若い年齢でありながら、カリフォス直属の戦闘部隊の隊長を勤める双剣の名手。
非常に真面目で忠義に厚く、もとは戦いで功績をあげて成り上がった小貴族の一族の出なのでとても礼儀正しい。
冷静な性格で信頼も厚いが、良くも悪くも真面目だと周囲は評価。
声と表情に変化はあまりないが、カーレンといると尻尾がサンバを踊っているので非常に分かりやすい。
◆ジゼル
褐色の肌、金色の瞳、ざんばらな黒髪のシャチ亜人。
二十代半ばの男性で言われるまで亜人とは気付かれないが、海水に触れるとシャチの姿が出ちゃうらしい。
若いのに一人で漁猟をこなす、同業者からは腕がいいと評判の漁師。だが、愛想はあまりなく鋭い眼差しと口調もあり、倦厭されがち。
が、その実、カーレンと付き合うようになってから顔がすぐ赤くなったりと分かりやすい事が判明した。
あまりカーレンにはシャチの姿を見せたがらない様子で……?