銃声とリナリア

いつか空につりあう日

晴天に恵まれたガーデンパーティーにて集う異種族の男女――の為にせっせと働く控えめなチビの少女。
お店自慢の庭で、パーティーから避難しているらしい人と遭遇するのだけれど――その人は、騎士の制服を着た、物凄くデカイ竜人だった。

これは体格差あり、身長差あり、立場も違えば種族差もありと、思いのほか差がある二人による多分きっと普通に幸せになってく話。

この話は【小説家になろう】様にも掲載しています。

(相手は竜人・でも竜頭等はなく基本は人間・シリアス要素皆無・ゆるっと恋愛)

Long Story

01 チビとデカの出会い
02 パーティーの後で
03 ゴリラ級怪力少女
04 とある竜人の苦悩
05 ぐるりと繋がる、出会いの縁(1)
06 ぐるりと繋がる、出会いの縁(2)
07 ぐるりと繋がる、出会いの縁(3)
08 人と竜の性を持つ者
09 再会の名前
10 チビとデカの、約束の街角(1)
11 チビとデカの、約束の街角(2)
12 チビとデカの、約束の街角(3)
13 動き出すもの、それぞれ(1)
14 動き出すもの、それぞれ(2)
15 動き出すもの、それぞれ(3)
16 アルシェンド騎士団国境支部(1)
17 アルシェンド騎士団国境支部(2)
18 アルシェンド騎士団国境支部(3)
19 アルシェンド騎士団国境支部(4)
20 羽狂い(1)
21 羽狂い(2)
22 羽狂い(3)
23 羽狂い(4)
24 本当の臆病者
25 薄紅色の涙
26 激昂
27 止まない雨で遠ざかる
28 もう一度と願う許しの先で
29 貴方に胸の中を差し出す
30 指先を愛しむ(1)
31 指先を愛しむ(2)
32 少女の変化、竜の覚悟(1)
33 少女の変化、竜の覚悟(2)
34 少女の変化、竜の覚悟(3)
35 少女の変化、竜の覚悟(4)
36 少女の変化、竜の覚悟(5)
37 “いつか”など必要ない、その空へ

Fin.

Short Story

国境支部の祝福 : 【37】の影であった国境支部のアニキたちの話 New

Character

◆セシリー(主人公:デフォルト名)
田舎の村から、国境近くの街へとやって来た少女。
日々、故郷と都会の違いにキラキラしながら、堅実に真面目に生活中。
友人曰く、ミルクティー色な髪と、ハーブ色な瑞々しい緑色の瞳をしている。
同年代の娘たちよりも小さく華奢(つまりチビ)。けれど胸部については大きく成長してしまい、プラスマイナスゼロの身体を持つ。
幼少期から悩まされてきた《とある秘密》によって、輪に掛けて大人しく控えめな性格になった。その秘密は、墓まで持って行こうと頑なに考えていたのだけれど……。
◆テオルグ
アルシェンド騎士団在籍の、竜人の男性。別名、鋼の竜人。
街の郊外、隣国との国境線を監視し防衛する国境支部に従事する。その支部の第一部隊副隊長であり、第一部隊長の騎竜でもある。
全支部である意味有名な、鬼の如き空中訓練を課す代表の一人。
普段は人間の姿をしている。黒髪と碧眼を持ち、額から後ろへと反る白い四本の角が生えている。竜の姿は、薄氷色を帯びた白鱗の、四つ足形態の竜。
言動のせいもあってか人が寄りつき難い雰囲気が出ているものの、何も凶暴なわけではない。ただし言葉の厳しさによって、マイナスの評価を受けがち。
背丈も高く身体つきも鍛えられがっしりとしている。要するにデカ。
そんなデカであるが、普通に良い子でくそ可愛い小動物(セシリー)にグラッとしているこの頃。今日も彼は地面を踏み抜く勢いで耐えている。
けれど、竜人の気質ゆえか、頑なにそれを認めようとしていないらしく……?
◆ルシェ
セシリーの友人。街外れの庭付き喫茶店の看板娘。
明るい茶色の髪と瞳を持つ少女。セシリーよりも二歳ほど年上で、お姉さんのように振る舞う。
セシリーの秘密を知る一人。「気にする事じゃないのに」と思っているので、いつか彼女が自信を持てる日が来る事を願う。
身内に騎士の職業についている人がいる。
◆アシル
アルシェンド騎士団在籍の、人間の男性。
街の郊外、隣国との国境線を監視し防衛する国境支部に従事する。その支部の第一部隊長であり、数少ない竜人の背に乗る騎士の一人でもある。
全支部である意味有名な、鬼の如き空中訓練を課す代表の一人。
市井の出身であるため、堅苦しくなく気さくで親しみやすい性格。だが、見た目と性格に騙されて喧嘩を売り、ボコボコに伸された者は数知れず。人間と侮る事なかれ。
ルシェの実兄でもあるので、同じ明るい茶色の髪と瞳を持つ。ただし兄の方が殊更に能天気。
セシリーの秘密を、成り行きで知っちゃった一人。
《鋼の竜人》と名高い友人が、チビで華奢な少女に顔を緩めるたびに大爆笑しているものの、彼なりに友人を応援しているらしい。

World

◆アルシェンド
セシリーたちが暮らす国。別名【碧空と竜翼の国】。
古くからこの国では竜や有翼獣などの有翼の種族が数多く暮らしている為にそう呼ばれるようになった。
◆アルシェンド騎士団
名の通りにアルシェンドに仕える騎士団。国の各地にそれぞれ役目を与えられた支部を構え、国の為、人々の為、身を尽くしている。
人と竜が一組のペアとなる制度が設けられているので、さながら物語の竜騎士のような出で立ち。どの国よりも異様に目立つ。が、組織の役割付けとしては、多くの国と同じ。

そんな騎士団であるが、彼らも恐れ戦く場所がある。現状平穏な国境を守る、雄大な山脈を臨む国境支部。其処は国境支部最速と謳われる、とある一組の騎士によって強烈にしごかれる、空中訓練が有名だった。おかげで毎年この支部に配属される者は絶望に染まる。
またそんな訓練が有名なせいか、根性の叩き直しを課せられる者が配属されるのは公然の秘密。ボコボコに伸されるのも毎年恒例行事、誰もが一度は通る道である。中には自ら志願する変わり者もいるが。
けれどその支部で一年を越す時には、そんじょそこらの騎士などとは比べものにならない精神力と体力、竜の操作術を獲得する。

ちなみに華の無さも全支部トップなので、常に「出会いが欲しい」と切ない叫びが方々で上がっている。
◆竜
長らく空を根城にして支配してきた、言わずとしれた最強生物と名高い種族。
数多くの種族を退けてきた歴史から生態系の頂点に属し、その姿の通りに非常に高潔で誇り高い。触れられる事と、背に乗られる事を極端に嫌う。
ちなみにサイズが定義されていて、小型竜は【~5メルタ】、中型竜は【5~10メルタ】、大型竜は【10メルタ以上】。
アルシェンド騎士団の騎竜は小型竜が主。ただし国境支部の騎竜はみんなマッチョでちょっと大きい。
◆竜人
竜の系譜に連なる種族。人と竜の姿を持つ者。
彼らが変じる竜の姿は、竜人それぞれによって異なり、体格から鱗、色、翼の形まで何一つとして同じものがないという。
竜人を揃えて並べてみれば、七色を網羅する圧巻の光景になる。
竜と同様に非常に高潔、強くある事を第一としてきたので、よく知るものたちからすれば【脳筋な気難し屋】。
触られる事を嫌い、特にその背に乗せるものを厳しく吟味する。なので竜人の背に乗るものは、盟友、身内、伴侶のみとされている。
けれど一度その背に乗せたものは何があっても見捨てず、一生涯を共にする。特に伴侶への愛情が深く、全種族随一と噂されている。
◆羽狂い
有翼獣や竜といった有翼の種族を捕食する魔獣で、中型竜ほどはある巨大な大猿。
非常に狂暴で、有翼系の生き物に異常な執着と攻撃性を見せる特性を有するため、アルシェンドでは天敵とされてきた。
隔絶された地域で暮らす生き物なので滅多に人里には現れなかったが……。



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